障害者手帳くらい自分で申請しよう

市役所まで障害者手帳の初申請に出かけた、その記憶は妙に生々しく残っている。

インターネットで事前に必要な提出物を確認。病院まで「身体障害者診断書・意見書」の作成を依頼(5,000円くらいだったか、結構高い)。ゲーム会社を退職し、普通のサラリーマンになろうと考え、撮影した証明写真を1枚焼き増し。他に色んな申請書が必要だと書かれてたので、PDFをプリントアウトし、手書き記入。身分証明書とかも必要で、あとはいつも使っている印鑑、と。

小金井市に住み始めて20年近く経過した。長く、リース案件として問題となっている第2庁舎へは、年に数回行っている。住民票などは1階で、選挙の不在者投票は最上階。他の階に立ち寄ったことはない。なものだから、障害者の福祉を担当する部署は珍しく、新鮮なものに感じられた。とはいえ、市役所であるから、あまり他とはかわり映えはしないものであるが。

既に先客が2名いるが、どうにも妙なのだ。

一人は我輩と同じ要件らしく、手帳の新規申請のようだ。準備をしていなかったらしく、デスクで書類に何かを書こうと「している」のだが、よく見たら、ペンを持ったまた頭を前後に振り、腹を空かせた犬のような小さい唸り声を上げているだけで、何もしていないのだ。係の人が、それでも辛抱強く、記入するのを待っているようであるが、もしかして何時間もこの状態なのかと驚愕した。

もう一人は健常者のようだが、とてもカタギとは思えない風袋をしていた。下品なネクタイをして、臭いポマードで髪の毛を塗り固めたサングラスの小男が、別の係を半ば脅迫を交えながら、福祉に関する補助金を寄越せと喚いていた。腰から周囲に見せるように、スティック状スタンガンをぶら下げて、ニタニタと下卑た表情を周囲に巻き散らかしてた。が、係の人は、既にブラックリストの屑だと知っているかのようで、極めて事務的に対応してのは、流石である。最後に時代劇に出てくるチンピラと同じような捨て台詞を吐いて去ったが、いずれにしても何かあったら、どうやって抑え込むか考えてたのが我輩として無駄であったかな。

つまり、そういう部署だということなんだな、と。障害者として福祉を受ける。障害者を(一応)助けるための補助を受ける。前者については、我輩にような身体面での障害を持った人だけが来るわけではない。後者については、「貧困ビジネス」よろしく、「障害者ビジネス」とか「高齢者介護ビジネス」とかで、ゴロツキがたくさん来るというわけだ。

団地内で知り合いになった(というか、あちらから話しかけられた。我輩はどうも、高齢者に声を掛けられやすいオーラがあるようだ)あるご老体は、市役所が紹介した介護用品代理店から酷い目に遭ったとぼやいてたのを思い出した。風呂場で使うバスチェアを検討してたら、その代理店が5万円弱(!)のを押し売りしてきた。市役所が紹介してきたし、断ることができないような感じで、向こうの所長ら3人が押し込んできたものだから買わざるを得なかったとのこと。ちなみに、Amazonでおなじものを調べたら、5000円もしないものだった。どこのシロアリ駆除や布団詐欺商法かと。だが、これが現実らしい。

自分で用意できる、自分が調べて購入できる、利用できるものに関して、行政に一切頼ってはいけない。依頼を検討しても良いのは、それらと比較して、安いか無料かという場合だけだ。高齢者介護に限らない。障害者に関する福祉もまさにこれだ。はっきり言って、ボッタクってくる前提で、眉にツバしてじっくり調べなければいけないし、おかしいと思ったらきっぱり断らなければならない。

まあ、それがしにくいのが、日本人のメンタリティなんだけどね。

さて、我輩の番。前述の通り、書類一式や証明写真などをクリアフォルダーに納めてそのまま提出。受領されたものはそのまま、返却されるものは我輩のカバンや財布に戻る。数か所、呈示された書類に捺印。

5分で終了。東京都が発行するため、一か月お待ちくださいとのこと(我輩の場合、2週間後に届いた)。全て受理されると、障害者として受けられる様々なサービス、税金優遇などについてのパンフレットが渡され、色々と説明を受けることができる。

「山本様が全てご用意いただきましたので、手続き、完璧でした」

係の人が笑顔で答えてくれた。なんかうれしいね。

年金と違うので、特に面倒なことをする必要がない。これだけについては、社労士にお願いせず、自分で一枚一枚準備することをお勧めしたい。良い思い出になるし、障害者になると、後日、色んな書類を作らなければならない事態になったりするから、その予行演習として意味合いも出てくる。書き損じても、役所はきちんとフォローしてくるから気楽にいこう。

お辞儀をし、これからもよろしくお願いします…と挨拶し、部署から出ようとしたら…まだ、頭を振り回してた人、いたんだ…係の人もいいかげんにしろという顔になりつつあった。

年金は結局、払った者勝ち

国とお金の関係は一方通行だ。税金などは問答無用で取られていくが、国に対してお願いするお金については、様々な手続きを行い、可否が問われた後で数か月後にやっと銀行口座に振り込まれる。まあ仕方がない、民主主義国家である限り、法的に問題がないようにしなければならない。そして同時に、自分と国、行政との間に、どのようなお金の関係があるのか、その一部を確認する良い機会であると、前向きに考える必要がある。

障害者年金、もしくは障害者厚生年金の申請はその一つだ。

一定以上の障害者になると、この年金を受け取る資格を得ることができる。だいたいの仕組みについて、国や自治体、社労士のホームページ等で説明されている。

  • 1~3級の障害(障害者手帳に記されている)であること。
  • 年金は2階建てになっていて、障害者基礎年金(1階)と障害者厚生年金(2階)で構成されている。
  • 年金には3等級あるが、障害の等級とは関係なく、家族環境などから決められてしまう(殆ど、安い等級が振られるらしい)。
  • 年金1~2等級は障害者基礎年金と障害者厚生年金の合算。3等級は障害者厚生年金のみ。それ以外の場合、障害手当金という一時金のみ。配偶者の加給年金というのも別途ある。

大体、こんな感じだったような気がする。間違ってたらごめん。何せ、社労士に全部お任せしたから。これについては、後日書いておきたいが、やはり「餅は餅屋」である。お金は使えるところで使わなければならないというものだ。

実はその社労士にお願いする際、真先に訊ねられたことは、

「年金は払い続けていますか?」

であった。

これが一番重要なことだ。この第一条件を乗り越えない限り、年金が懐に入るという夢は潰れたものだと覚悟しろ。

「年金は破綻するから支払う意味はない!」と喚いてる連中がいるが、ここは強く、我輩から言っておきたい。

お前さん、障害者にならない自信、あるのか?

と。どのような形であれ、年金は支払い続けてきたことで、得られるものだ。逃げ回り続けて、あとから「よこせ!」って、強請乞食でしかない。場合によってはただの犯罪者だ。無論、大病や経済事情により、未納期間が発生することもあるが、いくらでも救済策がある(無論、ツケもあるが)。だが、「無駄になる!」という理屈で、払わずに逃げ回った挙句に障害者となり、「年金よこせ!」と喚いても、門前払いを食らう覚悟はしておけ、ってことだ。

さて、申請に際して気を付けるべき点は、「初診日時点の保険料納付状況」…初診日の前々月まで、公的年金に加入すべき全期間中の2/3以上、きちんと保険料を支払ってきたか否かが問われる(一部、免除や特例があるようだけど、ここでは割愛)。

半年間の失業期間中でも、我輩はしっかりと年金を支払ってきた。あとはずっとサラリーマン(そう言われるような業界とは言い難いが)で、給与から厚生年金分がしっかりと取られてた。社労士に対して、胸を張って「滞ったことはありません」と答えた。

自信がない場合、悪名高い(?)年金機構まで問い合わせるのが一番簡単だ。事務所まで出向くのも良い(武漢肺炎での緊急事態宣言後に…)し、ネットから調べるというのもある。調べてみると、自分はこんな人生を歩んでたんだな…と懐かしくなるぞ。w

最終的に一番安い障害者厚生年金のみとなったが、それでも有難いお金であることに変わりはない。きちんと支払い続けてきたご褒美であると考えている。

もう一度言わせてもらおう。「年金破綻ガー」と喚いて、支払わない輩は、

障害者にならない自信があるのか?

と。だれもが簡単に、次の瞬間、障害者になるんだぞ?

障害者になって、身体が不自由になり、入ってくる金が少なくなる…それを補填するための障害者年金という制度だ。刑法になくとも、払ってもいない金を寄越せと喚くのは、強請乞食と変わらない。